はじめに
こんにちは餃子工房ヨコミゾの山口です。
本日はなぜラーメン店専用の業務用餃子を開発したのか?
につきまして、
ざっくばらんにお話して行こうと思いますので、
お付き合いいただければ幸いです。
手作り餃子が一番美味しい
餃子屋の私が言うのも何ですが、
私は妻が作ってくれる手作り餃子が一番おいしいと思っています。
次は手作りの餃子を提供してくれるお気に入りのお店です。
3番目は手前みそですが弊社の餃子です(^_-)-☆
私は職業柄様々なお店で餃子の食べ歩きをしていますが、
お店で色々な餃子を食べて感じるのは(私の主観です)、
「無難な味だな!」と言う事です。
「美味しい!!」と思う店はそう多くはありません。
無難な味の餃子なら食べても不満はありませんが、
記憶に残りません。
不味い餃子にあたってしまった時はとても不満に感じ
「記憶」に残ります。
なぜこの様に餃子の味に差が出るのでしょうか?
理由は大体分かっています。
話すかどうか迷いましたが、
「もっと美味しい餃子が食べられるお店が増えればいいのに」
と言う私の個人的な思いがありますので、
このブログを読んでくれているあなたにはそっとお話します。
餃子の味に違いが出る理由
結論から言いますと
・原材料の違い
・製造コストと作り方の違い
餃子の味に差が出る理由は大きくこの2つです。
原材料の違い
例えばですが、
10個100円の餃子と10個200円の餃子があるとします。
同じ餃子なのになぜ倍も値段が違うのでしょうか?
答はご承知の通り「原材料」の違いです。
安い原材料を使えば当然価格は安くなります。
しかし味には歴然とした差が出てしまいます。
安価な餃子も需要があるのは事実ですから
否定はできませんし、する権利も無いと思っています。
ですが、
こだわりのラーメンを作られているあなたには
一言だけ言わせて下さい。
ラーメン店では餃子はメインではありませんが、
お客様にとっては満足度を左右してしまう重要な1品です。
ですので、
もしあなたの店で餃子を仕入ているのであれば、
コストを重視し過ぎていないか?
ラーメンの味との相性は良いか?
と言う事を一度確認することをお願いしたいと思います。
製造コストと作り方の違い
話がそれました。
味に差が出るもう一つの違いは
「製造コストと作り方の違い」です。
ラーメン店で例えるなら
全く同じ条件(固定費などのコスト)の店で、
A店は一日100杯のラーメンを売る。
B店は一日200杯のラーメンを売るとします。
おのずとB店の方が1杯当たりのコストは安くなります。
これが製造コストの違いですよね。
我々餃子メーカーも製造コストを適切にするために、
できるだけ多くの餃子を効率良く作る事を考えます。
その為に専用の餃子成形機を使うのですが、
この成形機が手作りの餃子との大きな違いとなるのです。
作り方の違い
何が大きな違いとなるかと言えば
「具の練り方」と「皮」です。
家で餃子を作る時は通常「手」で具をこねますよね?
ですが工場では大型のミキサーを使って大量に具をミックスします。
そして工場ではミキサーで練った具を餃子の形に成形する為に、
専用の成形機のホッパーを呼ばれる装置にキロ単位で入れられます。
↓↓↓ 逆三角形の形をしたものがホッパーです。
このホッパーは餃子を大量に製造する為に
必要不可欠な装置なのですが、
便利な一方課題があります。
ホッパーの中はぐるぐると回転していて、
その回転によって一つづ餃子の具が皮に入るのですが、
ぐるぐると常に回っているために、
「具」が練られ過ぎてしまうのです。
練られ過ぎた「具」は、
野菜や肉の繊維が破壊されているので
「本来の食感とは変わってしまう」というわけなのです。
(好みの食感はもちろんひとそれぞれですが。。)
また、皮にも違いがあります。
家庭では通常市販の皮を使用すると思いますが、
(皮も手作りできればベスト!!)
市販されている皮は水分量が多いのです。
しかし、
水分量の多い皮は大量生産する機械では使うことができないのです。
その為に水分量を少なめに調整して皮を作りますので
皮のモッチリ感などに違いがでてしまうと言うわけです。
この様に具の練り方と使う皮の違いによっても、
餃子の味は大きく変わってくるのです。
私が「手作りの餃子が美味しい」と思うのは
以上の理由からなのです。
業務用餃子完成までの道のり
こうした現実を前に、
原材料には手を抜かず限りなく手作りに近い餃子を
作るためにはどうしたらよいか?
注視したのは以下の4点です。
1.具を練り過ぎずに成形する事。
2.加水率の高い皮を使う事。
3.各店のラーメンの味に合う事。
4.コストを適切にする事。
1点目と2点目を実現するには手で一つ一つ握る事が最善策です。
しかしコストがかかり過ぎる問題があり現実的ではありません。
そこでこの4つのポイントを実現する為に打った手は、
小型の成形機を導入することでした。
この機械は、
・ホッパーの容積が小さい
・皮を1枚づつ手で装填できる
と言う特徴がありますので、
具が練られ過ぎてしまう。
皮の加水率が低くモチモチ感が出せない。
と言う課題を解決することができました。
また味付けつきましては、
醤油ではなくラーメンのタレにつけて頂ければ、
あなたのお店の味とマッチすると考えましたので
様々なタレに合う様に使用する具材と味付けの工夫しました。
そして試作を重ねた結果、
あっさり系ラーメンに合う餃子2種類(ニンニクあり・なし)と
濃厚系ラーメンと相性がよい餃子2種類(ニンニクあり・なし)
の4種類の業務用餃子が完成いたしました。
価格につきましては、
ラインで大量生産する餃子にはかないませんが、
お店で手作りする手間を考えれば十分に納得いただける
価格になったと考えています。
まとめ
以上、本日は弊社がラーメン店専用の
「業務用餃子」を開発したいきさつについてお話いたしました。
まとめておきますと、
・「美味しい餃子を食べられるお店がもっと増えればいいのに。」と思った。
・「手作りの餃子にいかにして近づけるか。」が課題だった。
・「ラーメンの味と相性を合わせる。」工夫をした。
・「手作りの手間を考慮すれば納得いだだける。」価格となった。
と言う内容でした。
これからも手作りに餃子にいかに近づけるかを課題に
日々餃子を研究し心を込めて製造して参りますので、
どうか餃子工房ヨコミゾをよろしくお願いいたします。
山口