前書き
こんにちは。
餃子工房ヨコミゾの山口です。
前回は業務用OEMのチーズ餃子の試作の話をしましたが、
⇒ 小型餃子成形機「餃子革命」を使って業務用OEM「チーズ餃子」を試作
皮の厚みが依頼主様の要望とは異なる結果となってしまった為、
本日は改めてもう一度試作を行った話をしたいと思います。
今回はキャベツの水分量の違いも検討する為に、2種類の試作を行いました。
その様子を時系列でお話致します。
テスト段階では皮の厚さの調整はパスタパシーンを使います。
↓ まずは課題である皮の厚さをパスタマシーンを使って調整します。
この機械は皮の微妙な厚さを10段階まで調整できるのでテストでは重宝しています。
今回は厚さ1.2mm、直径9.5㎝。
当社自家製のスタンダードな皮をパスタマシーンで何度か伸ばして、
依頼主様が現在使用されている皮と同じ厚みを再現します。
↓ 調整した皮を専用の機器を使って0.1㎜単位で図ります。
調整を繰返して、
ご要望の厚さの皮が出来上がりました。
課題クリア!
次は具材を仕込んでいきます。
餃子のキャベツはなぜ絞るのか?
↓ キャベツの仕込みの様子
常餃子に使用するキャベツは専用の脱水機で水を絞り切りますが、
今回試作する餃子は、
「水分量の違いを確認したい。」
とのご要望でしたので、
① キャベツの「絞りナシ」
② キャベツの「絞りアリ」
の2種類を準備しました。
↓ ざく切りにしたキャベツをカットマシーンで細かく切くカット。
あっという間に気持ちが良い程キャベツがみじん切りになります(笑)
ここでもしかすると、なぜキャベツを絞るのか?
こうした疑問が頭をよぎる方もいらっしゃるかと思うので、
話が逸れますがお話しておきたいと思います。
個人的な話になりますが、
キャベツを絞ると「汁」が大量に出ますよね。
でも旨味が含まれているので、そのまま捨ててしまう事が
罪悪感と言うか、もったいないと常々思っていました。
家庭で作る時は、
「手ぬぐいなど」を使って手で絞りますから、
完全には絞り切れず、キャベツに残った旨味が
餃子の旨味に活かされたりすると思います。
ですから、
「絞らない」と言う選択はアリなのです。
が、
なぜ当社の様な餃子の工場ではなぜ餃子を絞るのか?
理由はいくつかあります。
① 具材がべちゃべちゃになってしまう。
② 水分量が季節によって変動するので、均一な餃子を製造することが困難。
そしてもう一つの大きな理由が、
一般正菌が増殖する事を防ぐ為なのです。
餃子専門の工場では一般家庭とは違い、
一度に何千粒、何万粒言う数の餃子を作ります。
水分が多いとどうしても時間経過と共に
「菌数」が増えてしまい、傷んでしまう危険性が0ではないからです。
特に生冷凍餃子の場合、蒸し工程がありませんので、
加熱殺菌ができません。
ですから万が一のこと考え、
安全策の一つとして脱水を行っていると言うわけなのです。
勿論、生冷凍餃子であっても検査をして問題の無い商品を出荷していますので、
その点はご安心下さい。
(脱水なしの餃子の菌検査の結果は最後にお話します。)
話を元に戻します。
皮とキャベツの準備ができましたので、具の仕込みに入ります。
キャベツの「脱水ナシ」、「アリ」を使って2種類の餃子を試作
↓ 数種類の肉をブレンドします。
↓ 「絞りナシ」のみずみずしいキャベツを挽肉に合わせます。
↓ 練り上がりました。
水分がかなり多いです(当たりまえですが(笑))
でもつやつやしていて美味しそうです。
*下の画像は「絞りアリ」のキャベツです。
撮影が下手なので分かりづらいかもしれませんが、
水気が無いのがなんとなくお分かりいただけると思います。
↓ 「絞りナシ」の餃子は水分量が多く、
餃子成形機にかからないので、一つひとつ手で握ります。
↓ 「絞りアリ」の方の餃子は「餃子革命」でサクサク成形します。
「絞りアリ」と「ナシ」の両方の餃子ができましたので、
↓ 急速冷凍庫に入れて超急速冷凍します。
(白い紙はメモです。通常の生産時にはもちろん使いません。念の為。)
20分ほどで冷凍できる優れものです。
↓ 冷凍した2種類の餃子を試食するために焼いている所。
↓ 焼き上がりました!!
うーん、ちょっと縁が焦げました(笑)
毎回出来上がった餃子を試食する時は、楽しみ半分、不安半分です(笑)。
それで「絞りアリ」と「ナシ」との味の差の結果ですが、
軍配は「絞りナシ」に上がりました。
「絞りナシ」はジューシーですしキャベツの甘味も感じられるので
試食した3名全員が美味しいと感じました。
ですが、
「絞りアリ」と「ナシ」を同時に比較してみなければ、
恐らく10人中9人の人が気づかないのでは?
と言う結論になりました。
まとめ
と言うことで、
「業務用OEM餃子製造では【皮の要望】にも、キッチリお応えします。」
と言うお話をしました。
・課題の「皮が厚すぎる」点はクリアすることができました。
・キャベツの「絞りアリ」と「ナシ」については「ナシ」に軍配があがりました。
が、
前述したように「菌」の問題が有りましたので、
出来上がったアリ・ナシの餃子を菌検査しました。
後日結果が出て、
予想通り「ナシ」の方が「アリ」よりも一般正菌数が多い。
と言う結果でしたが、品質的には問題のないレベルでした。
ですが、
水分が季節変動で異なる為、味がぶれる事を勘案して
「絞りアリ」でOEM餃子を製造を行う事となりました。
また一つ新しい商品を作る事ができました!
本日も最後までお付き合いいただき
ありがとうございます。
それではまた!!
山口
追伸:
今日お話した様に、
餃子に関する事であれば、
お客様のご依頼に可能な限りお応えする事が
私たちの使命の一つであると考えています。
「お客様の声」を頂戴し餃子を試作することは、
私たちの餃子作りに大きなヒントを与えてくれます。
こうした積み重ねが餃子作りの「資産」となる!
そう考えておりますので、
あなたがもしオリジナル餃子の製造を外注したいと
お考えであるならば、
是非ご遠慮なく何なりとお気軽にお申し付けください。
また、
ロットに関しましても当社は大量生産型の工場ではありませんので、
万単位ではなく千個単位からお受けすることができます。
繰返しになりますが、
お気軽にお問い合わせくださいね。